【ローン実行前の団信やり直しトラブル】住宅ローン利用は団体信用生命保険の加入が原則

団体信用生命保険 えっローン実行前に脱腸手術で承認取消!?

住宅ローンは団体信用生命保険(団信)加入が条件

一般的な住宅ローンは団体信用生命保険(団信)に加入できることが住宅ローン承認の条件となっています。つまり、健康状態や病歴が要因で団信に加入できない人は、住宅ローンを借りることができないということになります。なので、住宅ローンの審査においてはマイホームを買う人の収入や職業などの属性以外に「健康状態と病歴」というのも非常に重要なポイントになります。

団体信用生命保険(団信、だんしん)とは?

「団体信用生命保険」というのは、マイホームを買った人(住宅ローンを借りた人)が住宅ローンの返済中に事故や病気で亡くなってしまった場合、その団体信用生命保険の保険金により住宅ローンの残債が弁済される保障制度です。

団信の保険料は金利に含まれているので別途支払わなくてもすむのも便利なところです。もし団信がない場合はローンを借りたご主人が亡くなっても住宅ローンの残債はそのままで残された家族で返済していかなければなりません。団信に加入していれば一家の主に万が一のことがあってもローンの残債の心配はありません。

団体信用生命保険

団信加入の可否は告知書による

住宅ローンの審査は銀行で買主の信用情報や物件担保評価などをベースにおこないますが、団信加入の可否は本人の健康状態と病歴等を記載した簡単な告知書により銀行の指定保険会社が判断します。過去3年以内に特に病歴等がなければほとんどの場合は告知書のみで問題なく通ります。ただ告知内容によっては医師の診断書等が必要になる場合もあります。

ローン本審査承認後、団信審査やり直しになった怖い実話

春日井のある中古住宅を購入したお客様のケースです。

住宅ローンの事前審査で某都銀から承認をもらい、売買契約を締結しました。売買契約後、本審査、団信(だんしん)の告知事項も特に問題なくクリア。住宅ローンは本承認。順調にスケジュールがすすみ、売主と日程調整をし、残金決済日も決定しました。買主は、住宅購入後すぐにリフォームも予定してたので、残金決済日の翌日からリフォーム工事に入れる段取りも業者さんと組んでました。あとは銀行と金銭消費貸借契約を締結して、決済日を待つだけの状態で、夢のマイホームへの引っ越しを楽しみにしていました。

ところが、想定外の出来事がおこります。

買主が金銭消費貸借契約の数日前に、『脱腸』の手術をしたことが判明しました。たまたま銀行担当者との世間話の中で出た話です。手術とはいっても、日帰りで入院もない。本人は普段と何も変わらずいたって元気。べつにいま手術しないといけない緊急性もなかったけどちょうど仕事の休みでいいタイミングだったからと。

本人はただの世間話のつもりだったわけですが、脱腸の手術をしたことが銀行で大問題になってしまいます。銀行担当者の話だと、本申込のときから融資実行までの間に健康状態や病歴の告知内容に変更があった場合、あらためて団信の審査をやり直さないといけないと言います。

それこそあと1週間後には住宅ローンを実行して残金決済をしようとしていたときのまさかの展開です。

団信をやり直すっていうのはどういうことなのか?決済が予定通りできるのならいいけど嫌な予感がします。

【重要】融資実行までに団信の告知内容が変わると審査やり直し

脱腸の手術くらいで本当に団信やり直ししないといけないのか。なんとかそのままで予定通り決済できないのか?銀行担当者に再度確認してもらってもやはりあらためて審査をやり直さないといけないとのこと。

まさかの団信やり直し。医者の診断書をつけて告知書を再提出してそこから審査結果の返事は2週間くらいはかかるとのこと。

念のため、別の保険会社の団信加入も検討します。そうなると、当初予定の決済スケジュールは白紙。

団信の審査やり直しで想定しないといけないリスク

売主にもリフォーム業者にも、日程延期の同意をもらわなければなりません。延期になったとしても、住宅ローンの融資が実行されるならまだいいのですが、一番怖いのは再審査で団信が不可となる可能性もあるわけです。その場合、承認済だったはずの住宅ローンの融資は実行できなくなってしまいます。つまり否決。

決済日の延期どころか、契約の解除という選択肢も頭に入れとかないといけなくなってきました。契約解除の場合は、ローン特約による解除期日も過ぎているので違約金の支払いが発生する違約解除しかできません。

買主はもちろん、私も、銀行担当者もあせります。

どうあがいても団信の再審査に従うしか方法がないので売主にもリフォーム業者にも事情を説明してまずは決済の延期を了承してもらい速攻で再審査をお願いしました。当初の引受の保険会社も微妙な判断になるとのことで、念のため、別の保険会社の団信の審査もすすめます。

再審にはなりましたが本人はいたって元気で医師の診断で術後も問題ないということだったのでたぶん大丈夫だろうとは思っていました。しかし銀行担当者も否決の可能性があるということはきっぱり言いますが大丈夫です。というようなこちらを安心させてくれることは絶対に言ってくれません。祈るような気持ちで2週間待ちました。

結果は、あらためて承認です。あたりまえだろ!ダッチョウクライデ・・・!といいたくなりますが、本当によかった。

売主が決済の延期を認めずさらに揉める可能性もあった

買い手としてはどうしようもない銀行審査の都合とはいえ、売主によっては引渡し遅延で債務不履行を指摘されて契約違反だと揉める可能性もありえる話なのも怖いところでした。

売主からするといかなる理由があっても契約上の約束を守らないのは買主だということなります。しかし今回の売主の方は決済期限を延期することに快く同意していただき当初予定から3週間遅れで決済をすることができました。人柄のよい売主さまで本当によかったです。

まとめ

このお客様は緊急を要する手術ではなかったので、融資実行してからの手術であればなにも問題なかったのですが、融資実行前に手術をしてしまった。つまり、告知内容が変わったということで団信の審査し直しとなってしまいました。

たまたま仕事の休みの都合で、融資実行前のタイミングとなってしまっただけのことだったのですが、それが病状以上の大変な出来事となってしました。住宅ローンの団体信用生命保険の取り扱いには注意が必要です。私自身よく確認しておく必要があったと反省しました。

ちなみに、過去の病歴等で団体信用生命保険に加入できないという人もいらっしゃいます。その場合、フラット35という住宅ローンは団信の加入が強制ではなく任意で選択することができます。団信に入らなくても利用できる住宅ローンもありますので安心してください。

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この記事を書いた人

春日井シティ不動産代表。おひつじ座。宅地建物取引士、不動産コンサルティングマスター。妻・子5人の7人家族。強みは、不動産だけでなく、母校や商店会やPTAや神輿会など、春日井の暮らしで築いたご縁やつながり。お客様のお困りごとは年中無休でいつでも対応。趣味はラグビー。