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春日井の事故物件

かなり前の話ですが、土地売買の契約後に過去に自殺があった事故物件じゃないか?という疑惑が浮上した取引がありました。売主は自殺ではないという主張でしたが、結果としては、売主は手付倍返しで解約に応じました。その後、すべての事情を踏まえて新たな買い手と売買契約をして一件落着となったのですが、今回はいわゆる事故物件の取り扱いについて売主と買主はどういったことに気をつけて取引に臨めばいいかお伝えしたいと思います。

過去に自殺があった土地や建物は売れるのか

売買契約後に自殺疑惑が浮上したらどうなるか?

10年以上前ですが、春日井の某所で120坪の土地売却の依頼を受けました。売主はすでに市外に居住してましたが、その土地には古家が建っており解体更地渡しの条件で買い手を募ったところ、ある建売業者が購入したいということで、4600万円で売買契約をしました。

ところが、契約後しばらくして、ある近隣の方から、「あそこは昔、子どもさんが自殺してる」という話を聞くことになります。

この時点では、事実か噂話かはわかりませんが、売主からはこの手のことはなにも聞いていませんし、契約時においても事件や事故はない旨の告知書を頂いてましたが、私も不動産業者としての仲介責任にかかわることですから焦ります。

そもそも不動産取引においては売主には告知義務があって、買主がその事実を知っていたらその物件を買わないだろうという、自殺に限らず事件や事故、火災や水害などの売主が知っている事実は隠して売ることはできません。もし自殺の話が本当なら、売主は告知義務違反で、契約解除や損害賠償請求の可能性が高まります。もちろん仲介業者にとっても調査不足で仲介責任を問われる可能性もです。

この件について、売主は確かに20年前にこどもが早逝したが、自殺ではないと言い切ります。ただ当時、救急車と警察がくるような出来事はあったらしい。。。

買主は自殺の件が仮に疑惑どまりだったとしても、売主の告知義務違反だと。これから建売住宅を販売しようとするのに事故物件の風評被害が高リスクなので契約は進められない。と主張。

売主は自殺の噂はウソだと最後まで主張されましたが、結果としては、売主に手付金の倍額を支払い、手付解除を選択し、買主もこれに応じました。

想定される最悪のケースは?なぜ手付解除を選択したのか?

この件では、最終的には手付解除という選択で売主と買主は合意しました。売主は手付金分の460万を損しました。

でもこれが手付解除ではなく違約解除になってしまうと、売買代金の20%を違約金として買主に支払わなければならない可能性もありました。さらには、もし決済して買主に所有権移転したあと、建売販売したあとに発覚したら、もっとごちゃごちゃに揉めてたはずです。

売主もそんなの事実じゃない、とんでもない風評被害だと言い張れば、この件を伝聞してくれた近隣の人も巻き込んで、泥沼の裁判案件になっていたかもしれません。

実際、近隣の聞き込みをしたり、弁護士に相談したり、病院警察の当時の記録を探れないか調べてみたりしましたが、事実か噂かの確証は得られませんでした。

売主としても、最後まで自殺は認めませんでしたが、家族関係や健康状態もそう、経済状況や近所関係もそう、普通ではない事情があったのは事実かと思います。

私としても、業者としての責任も感じてましたし、いまさら事実がどうとかよりも、買主の事情も踏まえて、ここは手付解除で損しても泥沼の争いになるより解約できるならして、次の買い手を見つけた方が売主にとっても得策と考えました。

事故物件でも売却できます!

結局、自殺かあったかどうかはわからないが、ケチがついた物件になってしまいました。

しかし、仮に自殺があっても事故があっても、立地がいいとか物件としての需要がある物件は、価格は下がりますが、ちゃんと買い手は見つかります。

この物件は、この顛末をすべて把握したまた別の分譲業者がすぐに買っていきました。売買価格は、ぶっちゃけますと、25%引きでした。つまり市場価格の75%で売れました。

事故物件は取り扱わない業者は多いですが、価格条件が合うなら喜んで購入してくれる業者もいます。

不都合なことは隠す必要はありません。いや、隠してはいけません。正々堂々を事実のままで、売却すればいいのです。

まとめ)買主は業者と近所に聞いてみる。売主は不利なことも告知する。

普段から、「この物件は事故や事件はないですよね?」「売主の売却理由は?」というのはよく買い手の方から聞かれる質問です。

買主の方も、なにか都合の悪いことを隠されているかもしれないと不安になったりすることもあるでしょう。

何か聞きたいことがある場合には、遠慮せずに業者にも聞けばいいし、売主にも聞けばいいし、場合によっては近所の方に聞いてしまえばいいです。

誰だって、いわくつきの物件は避けたいに決まってます。

不動産仲介業としても、不都合な事実を隠して売ると法的な責任を問われますし、調査不足であっても仲介責任を問われます。

売主にも告知義務がありますので、その事実を隠して取引をしてもまず必ずバレますし、隠すつもりはなかった、伝えないといけないと知らなかったというのも通用しないので、賠償請求の対象となる可能性もあるので注意してください。

不都合と思われることでも、堂々と伝えればいい。

それも含めて気に入ってくれる方に買ってもらうのがお互いにハッピーになります。

 

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