借地権 取引実績

【#2.相続した借地権付建物を売りたい】春日井市高蔵寺町6丁目 借地権整理 底地共同売却

借地権整理 春日井市高蔵寺町 立退後底地共同売却

地主と借地人が協力して底地を売却して借地権整理した実例

相談内容は「相続した築50年の実家を売却できないか?」

以前にマンションを売買させていただいたTさんから高蔵寺町にあるご実家の相談をうけました。

「母から相続した築50年の実家を売却できないか?」

土地は借地。母の妹である叔母が所有者。地主が叔母、借地人がTさん。そしてその実家にはTさんの従兄弟が住んでいます。つまり従兄弟に実家を貸しており家賃収入があります。しかし叔母さんに借地料をはらうので実質の収益はゼロ。

Tさんは売れるなら実家を売ってお金にしたいとのことだが地主が叔母、かつ従兄弟に貸してる状態で実家を第三者に売却するのは事実上不可能です。ややこしい状況ですがいわゆる借地権整理の案件です。借地権だけでも難しいですが、さらに賃借人がいるということでよけい難しい。しかし、賃借人を立ち退きさせられれば、借地権整理の可能性は出てきます。

 

借地権をお金にするには?一般的な4つの方法を説明します

借地権を整理してお金にするための方法論としては基本的には4つのパターンしかありません。

1.借地人が地主に建物を売る

借地人の建物を地主が買いとる方法。借地人は建物の売却代金を得ることができます。地主は本来の完全な土地の所有権を取りもどし自由に土地活用ができるようになります。

 

2.借地人が第三者に建物を売る

借地人の建物を第三者が買いとる方法。借地人は建物の売却代金を得ることができます。買い手となった第三者は新借地人として立場を引きつぎ借地権の状態はつづきます。

 

3.借地人が土地(底地)を地主から買う

借地人が地主から土地を買いとる方法。借地人は土地の購入代金を地主に支払いますが、地主の立場になり完全な所有権を得て自由に活用ができるようになります。

 

4.地主と借地人が共同で土地を第三者に売る

地主と借地人が協力して土地を第三者に売る方法。地主と借地人で土地売却代金をあらかじめ決めた割合で分けます。借地人にとっては一番金銭的なメリットを受けやすい選択肢です。

 

借地権整理をどうやってすすめるか?

Tさんの状況を整理すると相続した実家を売ってお金にしたいがその実家は借地上の建物である。叔母に土地を借りていて建物は従兄弟に貸してるという複雑な状態。多少の家賃は従兄弟から入るが借地料を叔母へ支払えば収益はゼロ。

現実問題としてこの不動産をお金にするには借地権を整理するしかない。利害が対立する地主と借家人という相手方のある話なので門前払いで話にもならないことも普通にありえます。しかしTさんの場合は親の代から親戚関係が良好で叔母さんとも仲がよく巷でありがちな「地主 VS 借地人」という条件反射的な対立感情はない。

地主と借家人それぞれにメリットをご理解いただければ時間はかかるが最終的には借地権の整理ができると判断しました。

Tさんと協議の上今回の借地権整理の方法としては、「借地権の地主買取」もしくは「地主と共同での土地売却」。この2つのパターンを軸に地主と話をしてみることになりました。

借地権整理をすすめる上で注意すべき3つのポイント

1.地主は話に応じてくれるか?

借地権整理においてとにもかくにも地主に拒否されたら厳しい。

先祖代々の大事な土地を借地人に安い借地料で乗っ取られているいう否定的な感情をもつ地主さんも少なくない。しかし冷静に考えれば借地権整理ができれば地主にとっても得する話。その前提を理解していただいて話ができれば借地権整理の交渉がまとまる可能性は広がります。

 

2.建物の賃借人(従兄弟)の立退きができるか?

借地上の建物には、普通は借地人つまり自分自身や家族が住んでいることが多い。しかし、Tさんのケースは従兄弟が住んでいる。これがやっかいです。

地主が買取ってくれるならまだしも地主と共同での土地売却をしようとなった場合、賃借人(従兄弟)付きで第三者への売却は条件的にはかなり厳しい。立ち退きを拒否されると、暗礁に乗り上げる可能性が高い。

 

3.共同売却の場合、土地が売れる見込みはあるか?

この土地は春日井の中でも比較的人気のある立地。

一般の住宅用地としての需要は十分見込めます。売却そのものに問題はありません。ただし、売却代金をどう分けるかで揉める可能性があるので要注意です。

 

Tさんの借地権整理が解決するまでの流れ

1.平成28年、はじめて地主と交渉へ

Tさんから相談を受け借地権の整理がスタートしたのは平成28年。

地主である叔母さまに話をしにいくといずれ自分もこの土地の整理をしないといけないと思っていたらしく条件によっては前向きに考えてもいいという好感触。しかも、自分が買い取るのではなく共同で土地を売却できるならして甥っ子であるTさんと借地権割合50%で分けてもよいという。

普通は借地権割合の通りにOKしてくれる地主さんはいない。Tさんにとってはこれ以上ない好条件、ラッキーな展開。

 

2.地主は共同での売却に同意。しかし居住者は立退き拒否。借地権整理は中断。

第三者に共同で売却しようとするなら、居住者の立退きが必須。しかし、従兄弟に立ち退きを拒否されてしまう。この土地のニーズは、まず住宅を建てたい人。賃借人が居ついたまま土地を買ってくれる人はいない。いろいろと説得を試みるも、今すぐの立退きはむずかしいと。

立ち退き交渉を保留にし、継続的に従兄弟との協議を重ねていくことに。

 

3.初交渉から2年半後、平成30年に転機が訪れた

そこから2年半後に転機が訪れます。

従兄弟の転職が決まって引越しをするかもしれないとの報告を受けます。それまでに何度も従兄弟と会っていたのでその頃にはざっくばらんに話あえる人間関係もできていました。条件さえ合えば立ち退きしてもいいとのことでTさんと協議の上、立ち退き料を払うことを条件に3カ月後に引越しをしてもらう。これで合意しました。

今回の借地権整理の最大のネックが解消されました。

 

4.土地の売却はすぐに買い手が決まり、平成30年売買契約

それから土地売却にむけて動き出します。場所もよく、地形や大きさも住宅地に最適でしたので、予想通り買い手はすぐに見つかります。土地の売買契約をし、従兄弟が引越し、建物を解体し、測量をし、土地の決済をしました。

売却代金をあらかじめ決めた通り地主の叔母とTさんでわけ、Tさんの借地権の整理が完了しました。

 

まとめ。借地権整理の成功率は2分の1

正直にいうと私がご依頼を受ける借地権整理の成功率は50%です。2つに1つしか成功しません。相続がきっかけとなることが多いですが、地主さんから頼まれることもあるし、借地人から頼まれることもあります。

どれだけ双方にとっていい話であってもどれだけ誠意をもって頑張ってもダメなときはダメです。力不足で情けない限りですが相手にもされず門前払いでなにもできずに依頼者にお詫びすることが2回に1回あります。

それでもきちんと整理できた場合は希望の条件に満たない場合でも地主さんにも借地人にも非常に喜ばれます。今回のTさんのケースは時間こそ長くかかりましたが地主と借地人で感情的な対立なく金銭的な条件でも揉めることがなかったので居住者の立退きだけできれば借地権の整理は上手くいくだろうという案件です。

結果として地主の叔母さんや借地人であるTさんも将来の懸念材料であった土地問題が解決して喜んでました。従兄弟にも立退き料に感謝され、土地の買い手となった若いファミリーも希望の立地で念願のマイホームを建て感謝され、関係者みんなが最終的にWIN-WINとなれた良い事例でした。

ご依頼いただきありがとうございました。

  • この記事を書いた人

代表 山本直嗣

春日井シティ不動産株式会社代表。昭和48年生まれ。宅地建物取引士、不動産コンサルティングマスター、心屋認定リセットカウンセラー。妻・子5人の7人家族。強みは、不動産売買や管理だけでなく、地域の商店会やPTAや神輿会など地元の縁やつながり。春日井の不動産と暮らしと人の魅力をブログで発信。お困りごとは24時間365日対応します。趣味はラグビーとキャンプと四柱推命。

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