春日井シティ不動産のブログ
KASUGAI CITY REAL ESTATE
2025/03/01
【親や身内なら絶対とめる】リースバックをおすすめしない理由
1. ある相談から始まった話
「山本くん、今から時間ない?急で悪いけど、後輩(Bさん)のことで相談があるんだわ。」
旧知のAさんから慌てた様子で早朝に電話があり、Bさんと一緒に事務所で話を聞くことに。Bさんは住宅ローン返済に困り、2日前に大阪のリースバック業者と自宅売却契約を結んだものの、急に不安になりキャンセルを申し出たが断られてしまったという。
2. リースバックとは?
リースバックとは、自宅を売却した後も住み続けられる仕組みです。売却後に賃貸契約を結び、元の所有者が借主となるため、一見すると生活環境が変わらずに済みます。
流れ:
- 自宅をリースバック業者に売却
- 受け取った売却代金を活用
- 売却後も賃貸契約を結び、同じ家に住み続ける
- 毎月、家賃を支払う
メリットもあるものの、契約内容によっては大きなリスクが伴います。
3. Bさんのリースバック契約の背景
Bさん(50代後半・独身)は、80代の母親と二人暮らし。半年前から無職となり、住宅ローンの支払いが滞り始めました。
- 住宅ローン残高:400万円(毎月5万円の返済)
- 滞納期間:3カ月
- 築30年の木造住宅(旗竿地40坪)
- 母親にはローン滞納も売却も未報告
- リースバックなら引っ越しせずに済むと考え契約
4. Bさんの契約内容
売却条件
項目 | 金額 |
---|---|
売却金額 | 800万円 |
仲介手数料・諸経費 | 40万円 |
手取り額(諸経費引き後) | 760万円 |
住宅ローン残高返済 | 400万円 |
正味の手取り額 | 360万円 |
賃貸条件
項目 | 金額 |
家賃 | 8万円/月 |
保証金(返還なし) | 24万円 |
仲介手数料・諸経費 | 10万円 |
初期支払合計 | 50万円 |
契約期間 | 定期借家2年 |
Bさんは手元に360万円残るものの、家賃8万円を支払い続けることになります。
5. Bさんの契約が問題だった3つの理由
1. 売却価格が安すぎる
一般買取なら900〜1000万円、土地相場なら1500万円も期待できるのに、800万円は安すぎる。
2. 仲介手数料を取られている
リースバック業者が直接買い取るのに、仲介手数料が発生しているのは不自然。
3. 定期借家契約で退去リスクが高い
定期借家契約では契約満了で更新ができず、貸主の意向次第で退去を求められる可能性が高い。
6. リースバックは金銭的な負担が大きい
リースバック業者は利益を確保するため、
✅ 売却価格を安く抑え ✅ 賃料を高く設定 ✅ 契約終了後に転売できるよう定期借家契約を活用
といった条件を提示するのが一般的です。Bさんの場合、ローン返済は毎月5万円だったのに、リースバック後は家賃8万円になり、支出が増加。長期的に見ると、むしろ悪化してしまいます。
7. Bさんが選んだ道:手付解除
Bさんは契約後2日しか経っていなかったため、「手付解除」を選択。手付金50万円は戻らないが、それでも契約解除を決意。
✅ 手付解除期限内に申し入れ ✅ Aさんの協力で50万円を工面 ✅ 業者も最終的に解除を受諾
最終的にBさんはリースバック契約を解除し、家を守る道を模索することになりました。
8. 本来すべきだったこと
- 銀行に相談する:まだ競売や差し押さえには至っていないため、リスケジュール(返済条件変更)が可能だったかもしれない。
- 仕事を探す:収入が回復すれば、ローン滞納問題は解決可能。
- 家族に相談する:身内からの支援があれば売却の必要もなかったかもしれない。
9. まとめ:リースバックは最終手段
リースバックは「家を手放さずに資金を得られる」という点で魅力的に見えますが、
✅ 売却価格が低い ✅ 家賃が高い ✅ 定期借家契約で追い出されるリスク
といったデメリットが大きく、短期的な資金繰りの解決策としては不利になりやすいです。Bさんの場合、契約解除ができたことで、家を売らずに再起するチャンスを得ました。リースバックは「最後の手段」と考え、他に選択肢がないか慎重に検討することが大切です!
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監修者情報
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春日井シティ不動産株式会社
山本 直嗣