春日井シティ不動産のブログ
KASUGAI CITY REAL ESTATE
2025/03/26
【成約事例】任意売却:ローン滞納中のマンションを売却して自己破産を回避した事例
今回は、春日井市内のマンションで住宅ローン返済が滞り、やむを得ず任意売却という選択をされたAさんの事例をご紹介します。競売にかかってしまうリスクを回避しながら、どのように不動産を売却できたのか、その流れを詳しくまとめました。
1. Aさんからのご相談
- 相談時期:2017年11月
- 状況:住宅ローンを5か月滞納。銀行から督促状が届き、経営していた自営業も厳しい見通し
- 相談内容:「マンションを売って借金をなくしたいが、もう返済ができない。どうすればよいか?」
このまま滞納を放置すれば、マンションは差押え・競売となり、強制退去が避けられません。早期に売却できれば問題は解決しますが、Aさんのケースではいくつかの理由で簡単に売却へ進めない事情がありました。
2. 売りたくても売れない理由
Aさんのマンションのローン残高は2,000万円。
一方で、売却相場は1,600万円前後。仮に運よく1,600万円で売れても、ローン残高に対して400万円不足します。
通常の不動産売却では、ローン残債を一括返済できなければ抵当権を抹消してもらえません。つまり、Aさんが追加で400万円を用意できない限り、「売るに売れない」状態だったのです。
3. 任意売却とは?
そこで選択肢に挙がるのが**任意売却(にんばい)**です。
任意売却の概要
- 売却してもローン完済ができない場合でも、債権者の同意を得ることで抵当権を抹消し、不動産を売ることが可能となる仕組み。
- 強制的に物件を売却される競売(けいばい)とは異なり、競売に至る前の段階で「債務者」が自ら物件を売却するため、多少価格面で融通がきく。
- ただし、競売が開始されると任意売却ができない場合が多いため、早めの行動が大切。
ローン残債を超える分が用意できないAさんにとって、任意売却は事実上の最善策でした。なお、任意売却によって売却できたとしても、残債がゼロになるわけではありません。その後も返済計画を債権者と交渉しながら進める必要があります。
4. 債権者との交渉と販売活動の流れ
4-1. 債権者の承諾と売却スタート
- 債権者の変更:当初の銀行からサービサー(債権回収会社)に債権が移り、そちらが新たな窓口となる。
- 売却の承諾:債権者に任意売却の方針を説明し、売却を進める許可を得る。
- 査定と価格設定:当社としては1,600~1,700万円を査定額としたが、債権者の希望もあり、最初は2,000万円で売り出しをスタート。
4-2. 高値設定で反響ゼロ → 段階的な値下げ
- 最初の3か月:広告反響はほぼゼロ。相場とかけ離れた価格設定が原因と考えられる。
- 値下げ交渉:債権者へ販売報告を行い、徐々に値下げを提案。2018年4月には1,900万円に変更して売却活動をリスタートしたが、依然として具体的な商談には至らず。
- 債権者の理解:高値では売れない現実を債権者も認識し、さらに値下げして早期成約を望む方針に転換。
4-3. 10か月後に成約
- 最終的な価格設定:2018年7月、1,900万円から150万円ダウンの1,750万円に変更。ここで問い合わせが増加。
- 成約価格:2018年10月、1,650万円で買い手が決まる。実際の査定価格どおりになった。
- 決済・引渡し:2018年11月に売買契約締結。売主は2018年12月に退去し、2019年1月に決済・引渡しが完了。
販売開始から最終的に契約・決済を迎えるまで、およそ1年2か月かかりました。
5. 任意売却のメリットと注意点
5-1. メリット
- 競売を回避:競売にかけられると、通常は市場価格よりも低い金額で落札されてしまうことが多い。
- 売却後の再出発がしやすい:引越し費用などを売却金から捻出できる可能性がある。
- 売却条件の調整が可能:競売ほど強制力がないため、売主が住みながら売却を進められる場合もある。
5-2. 注意点
- 残債が無くなるわけではない:破産免責しない限り、売却価格で返済しきれない分は引き続き返済義務が残る。
- 債権者との交渉が必須:一般的な売買よりも時間がかかるうえ、柔軟に価格調整が進まないケースも多い。
- 期限がある:競売開始前でないと任意売却できないため、滞納が始まったら早めに動くことが重要。
6. まとめ:ローン滞納中でも諦めずに相談を
Aさんは一時的に収入が減り、5か月のローン滞納からどうにも立ち行かなくなっていた状況でした。しかし、競売に至る前に任意売却を選択したことで、マンションを相場に近い価格で売却することに成功。引越し費用も確保しながら強制退去を回避し、その後の再建へと踏み出すことができました。
- 大切なのは、早めの行動と専門家への相談
- 「もう返済できないかも…」と思ったら、競売にかかる前に任意売却の可能性を検討しましょう
Aさんご本人も不安いっぱいだったようですが、決済後には「やっと肩の荷が下りた」と、晴れやかな表情を見せてくださいました。長期戦にはなりましたが、無事にお手伝いできたことを嬉しく思います。
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監修者情報
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春日井シティ不動産株式会社
山本 直嗣